動物病院24時 Vol.01
ペットの事、獣医療のこと、疑問のあれこれ、獣医師に聞きます。
2月20日 更新
オーナーにとって獣医師は特別な存在。でも、彼らの本音を聞き出すのはけっこう難しい——日頃、疑問に思っていても聞けないあれこれを、アニカクラブ編集部 櫻井が突撃インタビュー!
獣医師界の"気さくな、ちょいワルお兄さん"アテナ動物病院 相模原(神奈川県相模原市)の
布村順一院長を訪ねました。
もっと獣医師が積極的にならないと……。
編集部 櫻井(以下、S)先生が獣医師になろうと思ったきっかけから聞かせてください。
布村院長(以下、D)ほかの獣医師にも多いのですが、「小さい頃から生き物が大好き」というのが獣医師になろうと思った理由です。高校時代、「生物」の科目が好きでよく勉強したし、もっと勉強したくて、結果的に獣医師を志していました。
S先生は、ペットを飼われているんですか?
Dチワワ2匹、シュナウザー1匹と暮らしています。公私共に1日中ペットたちに相手をしてもらえるペット好きにはたまらない生活を送っています(笑)。
Sオーナーの多くの人は、獣医師=ペット好きというイメージを持っていると思いますが、私の獣医師のイメージのひとつに、「獣医師は“変わり者”が多いのでは?」というものもあります。 実際はどうなんですか?
Dどの業界にもエキセントリックな考えや行動をする人はいらっしゃいますから、獣医師のなかでも、そうした人がまったくいないというわけではありません。ただ、「ペットと向き合うのは得意だけれど、ヒトとのコミュニケーションを苦手」という先生もいらっしゃいます。
S恥ずかしがり屋さんが多いんですかね?
Dペットを診察するとき、本当はオーナーに解説しなくてはいけないのに、なかなかオーナーに目を合わせることができず、ついペットに話しかけてしまう、とか……。
S“変わり者”でもいいんですが、やはり、しっかりとペットやオーナーのことを理解してくれて、安心してお任せできる信頼関係を作ってもらいたいですね。それでなくても、ケガや病気といった不安を抱えて病院にかかるのですから……。
Dそのとおりですね。「まだまだ、動物病院の敷居は高い!」と感じていらっしゃる方も多いですし、そうしたオーナーさんのイメージを払拭して、安心感を持っていただけるような努力というものを私たち獣医師がしなくてはいけません。獣医師や関係者から、オーナーにとって有意義な情報を発信したり、発信の場を積極的につくっていく働きかけが重要だと感じています。
S獣医師はオーナーが抱えている疑問や不安に対して、豊富な知識と経験を生かして親切に対応することは当然ですが、業界全体がこうした声に応えてくれることを期待しています。
動物病院も、顧客視点が何より大切。
Dいまの動物病院は、単に高度な医療行為を行えばいいわけではなく、オーナーにプラスαのサービスや付加価値を提供することも大切です。そうしたプラスαが、オーナーにとって獣医師や病院をはかるものさしになっています。
Sやはり、評判のいい動物病院なり、獣医師というのは、多様化しているオーナーのニーズや時代のニーズを汲み取っているようなイメージがあります。
Dそうですね、個人的な医療技術を磨いても、それがオーナーにとって満足がいくものとして認められなければ意味をなさない時代になっています。このことは、獣医師だけではありません。人間の病院と同様、動物看護士のコミュニケーション能力や立ち居振る舞いといった部分、さらに院内が清潔か否かといった部分も、動物病院を選択するオーナーにとっては重要なポイントになっています。
S動物病院は“医療の質”も当然のことながら、“サービスの質”が大事だということですね?
D医療の質というのは、オーナーにとって、実際に治療されてみないと非常にわかりにくいものです。当たり前のことですが、獣医師がペットの病状や治療等についてできるだけわかりやすい言葉で噛み砕いてご説明し、オーナーがちょっとでも疑問に思うことに先回りすることが大切です。「オーナーと病院の信頼関係を築くこと」と言ってしまえば簡単なことですが、信頼関係が築けるように、私たちがもっとアピールする必要があります。そして、「私たちをもっと利用していただく」という考え方に立たなくてはいけないと思うのです。
S具体的にはどのようなことが挙げられますか?
Dたとえば、ペットを量る体重計を例に挙げましょう。私たちの病院は、商業施設内にあるという利点から、どなたでもワンちゃん、ネコちゃんの体重がチェックできるように、専用の体重計を利用しやすい場所に設置しています。ほんのちょっとのアイデアを実践しているだけですが、利用者の方には好評です
Sそういえば、さきほどから、皆さん、利用されていますね。出入り口に近い場所ですし、当院を利用しなくても、気兼ねなくチェックできるところがいいですね。
ペットの組織病院は、時代の要請。
D獣医師として、個人ができることには、限界があります。ヒトの診療と異なり、日本の獣医療は制度的にも専門性を全面に出すことができません。
Sそういえば、外科専門、内科専門という動物病院って聞いたことがないですね……。
Dオーナーさんからすれば、「獣医師なら、動物のことは何でもわかる!」というイメージをお持ちかと思いますが、プロといえども、そのすべてを把握し、完璧に診療にあたることができる獣医師はいません。だからこそ、獣医師は、ほかの獣医師や獣医療関係者とのリレーションが大切になってくるんです。今、アテナ病院は、日本で唯一の大手病院として、全国にネットワークを広げつつあります。いまや100名を超える獣医師たちが、それぞれの得意な分野があり、それぞれが有益な情報を共有できる組織にしようとしています。
S個人の動物病院でカバーできない部分を組織のネットワークでカバーするんですね?
D決して個人で開業されている病院を否定するものではありません。ペットの総合病院化は時代の流れであるし、結果としてオーナーのご要望に応えることができる手段のひとつだと思うんです。獣医師にとっても、企業としての病院だからこそ、気軽に相談できる獣医師や看護師がたくさんいて、安心感があります。獣医師としてのゴールが、必ずしも独立開業ではありませんから、獣医師としての選択肢が広がっています。
S布村先生は、個人の病院でも獣医師として勤められたと聞いていますが、個人でできることが限られているとお感じになったきっかけというのはあるんですか?
D若い頃に、尊敬できる医師や関係者に出会えたことが今の自分につながっていると思います。2007年に、アメリカで企業病院に関する研修にも参加したのですが、これからのペット医療のあり方について勉強させてもらい、組織でサービスを提供することの重要性・必要性を強く感じました。 アメリカは、動物病院でも勤務医制度が確立していて、ものすごくシステマティックに運営している病院が多いんです。ペットの医療サービスという点でも、アメリカは見習うべきことが多いですね。
Sぜひ世界のペット医療の話も聞かせてください。
取材・文
アニカクラブ編集部
紹介店舗
アテナ動物病院 相模原
| 所在地 |
〒229-0004 神奈川県相模原市古淵2-10-1 ジャスコ相模原店内 ペットスクエア内 |
|---|---|
| 営業時間 |
平日・土 10:00〜12:30/15:30〜19:00 日・祝日 10:00〜13:00/14:00〜17:00 水曜日休診 |
| TEL | 042-757-2230 |
| 駐車場 | あり |

アテナ動物病院 相模原院長
西関東エリア
ブロックマネージャー
布村順一
Veterinarian
Junichi Nunomura
平成7年4月 獣医師免許取得。卒業後、個人開業2病院に勤務。
平成18年7月 ブイエスシー創設者 西川芳彦氏と出会う。
平成18年8月 同氏の企業病院構想に賛同し株式会社ブイエスシー入社。
平成18年11月 アテナ動物病院 相模原院長就任。
平成20年2月 AHBインターナショナル株式会社VSC事業本部 本部長代行就任。

アテナ動物病院 相模原
所在地
〒229-0004
神奈川県相模原市古淵2-10-1
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