AHBインターナショナル株式会社 スタッフ募集

獣医師、ペットショップスタッフ、ペットホテルスタッフ、ペットスタイリストなど、随時募集

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アニカクラブのとりくみ


目の不自由な人々の自立支援の一つに、「盲導犬との生活」があります。生活の支援だけではなく、人と犬とのかけがえのないパートナーシップがそこにはあります。 今回は、たくさんの心の触れ合いの場でもある盲導犬育成の最先端、「盲導犬の里 富士ハーネス」(静岡県 富士宮市)を訪ね、動物と人間の共生について取材して来ま した。いよいよ後編、盲導犬の仕事「社会とのつながり」をクローズアップします。

盲導犬の必要性をより多くの人に伝えるために

盲導犬を育成する為の総合センター、「富士ハーネス」では訓練犬達が今日も元気に訓練に取り組んでいます。午後から盲導犬のデモンストレーションが行われると聞き、我々はそろってトレーニング棟に向かいました。このトレーニング棟は、雨の日の訓練を行ったり、パピーウォーカー交流会なども行われる多目的スペースです。

しばらくして、会場に現れたのは白い毛並みの美しいラブラドールと普及推進事業課の原さんです。 ヴィラというこのラブラドールは「富士ハーネス」で盲導犬普及の為にお仕事をしているPR犬です。 つまりヴィラ達PR犬は、この富士ハーネスで盲導犬の働きぶりを披露し、盲導犬理解を深めてもらう活動をする犬なのです。

デモンストレーションが始まりました。初めて盲導犬を見るという方にもわかりやすいように、ハーネスを付けるところから実践されます。盲導犬ユーザーにとっては当たり前の道具ですが、実は一般的にはあまりよく知られていません。
職員の方に勧められ、見学の方もハーネスを実際に触らせてもらえます。「軽いのか重いのか触ってみて下さい。ちょうどいい感じですか?人によってはすごく軽い、重いという人もいます。」ユーザーの視線でわかりやすく解説していきます。
「では少し実践してみましょうか。今からまっすぐ進みますね。」原さんの指示通り歩き出すハーネスをしたヴィラですが、少し進んだところで障害物に突き当たるとこれ以上前に進めないと判断し、スピードを落としそのまま右へ曲がりました。 「今まっすぐ進みなさいと言ったのに右に行きましたよね?このように状況を的確に判断して盲導犬ユーザーを誘導してくれるんです。」
見学に来ていた方々から早速関心したようなどよめきが沸き起こります。しかしまだまだこれは序の口です。犬が歩くには障害とならないが、人の顔の高さほどにある看板などの障害物も、避けるように訓練されておりパートナーを安全に誘導します。常に人に意識を向けているからこそ出来る事です。 盲導犬ユーザーは盲導犬がきちんとできたことに「グーーッド!」。これが盲導犬にとって何よりうれしいことです。

デモンストレーションが非常になめらかに行われているので、見学の方から見れば全ての動きはヴィラが決めているように感じます。しかし、実際はユーザーから送られる指示に忠実に従っているのです。 実演の合間もヴィラは見学に来てくれた人達を興味深げに見回しています。人が大好きなヴィラちゃんは、すぐにでも駆け寄ってご挨拶に行きたいところですが、ここは我慢。お仕事は責任を持ってキッチリこなします。

「思われている以上に盲導犬というものは必要とされているんです。盲導犬がいるのといないのでは、視覚障害者の方の生活というのは全く違ってきます。少しでも多くの方に盲導犬の必要性を知って頂いて、我々の仕事に興味を持って頂きたい。盲導犬を多数世に送り出す為の協力をして頂けるとうれしいというのが我々スタッフの思いです。」 このデモンストレーションを通じて一人でも多くの人に盲導犬の必要性を知ってもらい、盲導犬の育成に協力して頂く。 ヴィラのお仕事はとても責任ある、重要なものなのです。

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社会と盲導犬のつながりとは


押野さんとウェーブは
固い信頼関係を日々結んでいる

街にもウェーブを連れて一人で出かけられるようになった押野さんですが、まだまだ社会における盲導犬ユーザーの立場の厳しさを実感するといいます。
「かわいいという理由で盲導犬に触れようとする方がいらっしゃいます。私たち盲導犬ユーザーは皆頭の中に綿密な地図を描いて盲導犬に指示を出しながら歩いてているので、盲導犬に触れることで盲導犬の集中力が切れ、方向がわからなくなり迷子になってしまう可能性があります。」

また、「ペット犬」の存在も少し怖いのだとか。
「突然小型犬が近づいてくるとか、もちろん悪気はないと思いますが、飼い主さんがペット犬を近づけて来る、とか。ドキッとしますね。仕事をしている盲導犬は、仕事に集中しているので、犬が興味を感じるような事を意図的にされてしまうと集中力が途切れてしまうことが考えられるからです。」 心情的にはウェーブちゃんを可愛がってもらえるのは嬉しいこと。むやみに「やめて下さい」とは言い難く、とても複雑です。 ですから、ユーザーと盲導犬を見かけたら、是非愛情ある無視をお願いしたいという。 「遠くから見守って頂けたらとても嬉しいです。明らかに困っている場合なら、私達ユーザーにお声掛けいただければそれも大変嬉しいことです。」   

押野さんは、社会に盲導犬に対しての認識をもう少し深めて欲しいと願うと同時に、ユーザー側としての責任も果たそうとしています。出来る事を模索し、実践する日々。例えば周囲の迷惑にならないように服を着せて体毛が飛ぶのを防いだり、雨の日などは濡れるのを最小限にするため、駅までタクシーを使う等の配慮も欠かしません。人によってはバスに乗る前に、キレイに脚を拭いてから乗車されるユーザーさんも。   


盲導犬と一緒に訓練できる宿泊施設も整っている

細かい努力の裏には押野さんの想いがあります。 「身体障害者補助犬法というのが出来て、公共交通機関等を利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することができるようになったり、盲導犬に対する社会の認識というのは徐々に向上しつつあります。とはいえ、やはりこちらとしても権利だけを主張するのでは無く、やるべき事はしっかりやって、お互い良い方向に持って行きたいんです。」   

様々な場所で、盲導犬に対する認識は徐々に変わりつつあります。 「小学校4年生の福祉の勉強で盲導犬が取り上げられているんです。街を歩いていると子供の知識の高さに驚かされる事があります。“ハーネスをつけるんだよね”とか“触っちゃいけないんだよね”とか。大人顔負けの知識に驚かされるばかりです。」 盲導犬育成に関わる方々の地道な活動が実りつつある事を実感しました。   

盲導犬に対する知識を得た人々が徐々に増えてくれば、盲導犬の絶対数の拡大はもちろん、既存の盲導犬ユーザーの一般生活も非常に楽になります。 「駅で改札口がわからずにうろうろしているのは、盲導犬だけでは判断できないような事が有るからなんです。信号を待っている時も、盲導犬は信号の色を見て渡って良いかどうかの判断をしている訳ではありません。あくまで人の流れから、推測をしているに過ぎないのです。そうした姿を見かけた時は、私たち盲導犬ユーザーにそっと声をかけていただいたり、手を貸して頂いたりすると本当に助かります。」 盲導犬ユーザーの生活は盲導犬とだけではなく、その周りの人々の支えがあって成り立ちます。普段、盲導犬に関わりの無い人でも、知識を身につける事によって、街で盲導犬に出会った時に、出来る事が確実に存在するのです。   

  

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幸せな共生社会のかたち

新しい命として迎える子犬をケア・訓練し、そして引退犬の老後の生活の場も提供する「盲導犬の里 富士ハーネス」。 盲導犬の一生を見守るこの総合センターの基盤には 「盲導犬はパートナーである」 という強い信念が感じられます。
生まれたばかりの子犬から、引退した犬達までを穏やかな生活と愛情でサポートし、人と犬とが共生する社会へ繋げていく。 そのためにも、ここ富士ハーネスをはじめとした全国の盲導犬育成施設から巣立っていく盲導犬が心身ともに健康に活躍して欲しいという思いは、パピーウォーカーを始めとするボランティアを含め、盲導犬育成に携わるスタッフ全員の願いであることが分かりました。

私達が、自分には何が出来るのかを考え、ほんの小さなことからでも「実践していく」こと。それが盲導犬に限らず “動物と人が共に生きる幸せな社会” を形作っていくのではないでしょうか。

  

取材・文
アニカクラブ編集部

紹介施設
日本盲導犬総合センター
「盲導犬の里 富士ハーネス」
所在地 〒418-0102
静岡県富士宮市人穴381
URL http://www.fuji-harness.net/

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